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「今週の宿題、また全部は終わらなかった……」——SAPIXに通わせていると、毎週そんな夜が当たり前になっていませんか。
我が家もそうでした。配られた教材を全部やりきろうとして、気づけば夜は遅くなり、親子ともにイライラ。しかも全部に手を広げたぶん、一つひとつが中途半端になって、結局あまり身についていない——そんな悪循環に陥っていた時期があります。
中受伴走1周目の親として痛感したのは、SAPIXの宿題は「全部やりきる」が前提ではないということです。大事なのは、教材の役割を知って優先順位をつけ、我が子の状態に合わせて「やらないこと」を決める——その取捨選択こそ、親にしかできないサポートだと感じています。
この記事では、宿題が回らない理由、教材それぞれの役割、回らない時の優先順位のつけ方、そして「やらない」を決める勇気と親のサポートまでを、一周目の親の目線で整理しました。完璧に全部こなすことより、続けられる形に削るのが結論です。
※具体的な進め方は塾や学年・お子さんの状況で変わります。あくまで我が家の一例として、考え方の「型」をお伝えします。
SAPIXの宿題は「全部やりきる」が前提じゃない
まず、肩の力を抜くところから始めたいと思います。SAPIXの教材は、もともと多めに用意されていると捉えるのが現実的です。すべての家庭が、配られたものを100%こなしている——わけではありません。
それでも親はつい、「配られた以上、全部やらせなきゃ」と思ってしまいます。我が家もそうでした。でも、全部に薄く手を広げると、こうなりがちです。
- 一つひとつが中途半端になり、定着しないまま次の週へ
- 時間が足りず、睡眠や生活リズムを削ることになる
- 終わらない宿題に追われて、勉強そのものが嫌いになる
これでは本末転倒です。厚生労働省の睡眠ガイドでも、小学生には9〜12時間の睡眠確保が推奨されています(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(こども版)」)。宿題のために睡眠を削るのは、順番が逆です。だからこそ、「全部やる」ではなく「何を優先し、何を削るか」を決めることが、最初の一歩になります。優先順位をつけるのは、手抜きではなく作戦です。
まず親が知っておきたい、教材の「役割」
優先順位をつけるには、教材それぞれが何のためのものかを知っておくと、判断しやすくなります。代表的なものを、役割で整理します(呼び方や運用は学年・時期で変わります)。
| 教材(算数の例) | ねらい | 我が家の優先度 |
|---|---|---|
| 基礎力トレーニング(基礎トレ) | 毎日の計算・基礎の維持 | ◎ 最優先(毎日・短時間で) |
| デイリーチェック(デイチェ) | 前回授業の定着確認 | ○ 高(授業サイクルの軸) |
| 授業プリントの解き直し | 間違えた問題の理解し直し | △ 中(数を絞って・自力で) |
| 通常テキストの追加演習 | 単元の練習量を増やす | ✓ 状態で取捨選択 |
ざっくり言えば、「毎日コツコツ積むもの(基礎トレ)」と「授業サイクルで回すもの(デイチェ)」が土台で、解き直しや追加演習は、そのうえで状態を見て足し引きする——という位置づけです。
この「役割の地図」が頭に入っていると、回らない週でも「ここは外せない/ここは今週は削る」と判断しやすくなります。

宿題が回らない時の優先順位のつけ方
では、実際にどう優先順位をつけるか。我が家がたどり着いた考え方を整理します。
「毎日やるもの」と「週内で回すもの」を分ける
まず、毎日やるものと週のどこかで回すものを分けます。我が家では、基礎トレのような「毎日の積み重ね」は、短時間でも欠かさないことを最優先にしました。逆に、量の多い演習は「週内で回せれば合格」と緩めに構えます。
毎日のものを守ると、土台が崩れません。崩れなければ、忙しい週に多少演習を削っても、立て直しがききました。
我が子の状態に合わせて、削るところを決める
次に、我が子の今の状態に合わせて、削るところを決めます。よくできている単元の演習は思いきって減らし、つまずいている単元に時間を回す——というメリハリです。
文部科学省も、一人ひとりの理解度や学習進度に応じて学びを調整する「指導の個別化」を重視しています(文部科学省「『個別最適な学び』と『協働的な学び』の一体的な充実について」)。配られた教材を全部こなすことより、我が子の今に合わせて優先順位をつけるほうが、理にかなっていると感じます。
【親のホンネ】
最初は『全部やらせなきゃ』と必死で、終わらないと私のほうが焦っていました。教材の役割を知って『基礎トレと授業の復習だけは死守、あとは状態次第』と割り切ったら、夜の気まずい雰囲気が減って、かえって定着がよくなった気がします

「やらない」を決める勇気と、親のサポート
優先順位づけでいちばん難しいのは、「やらない」を決めることです。でも、ここが親のいちばんの仕事だと感じています。
解き直しは「数」より「自力で思い出す」を優先

間違い直しや復習は、つい「全部やり直させたい」と思います。でも、ただ答えを写すより、もう一度自力で解く(思い出す)ほうが記憶に残りやすいことは、研究でも示されています(岩手大学「憶えたければ思い出せ!:想起の学習促進効果」)。だから我が家は、解き直しの「数」を欲張らず、絞った問題を自力で解き直す質を優先しました。
できない日があってもいい、というリカバリ前提
体調や予定で、どうしても回らない日もあります。そんな日は、潔く「今日は基礎トレだけ」と割り切る。できない日をゼロにしようとしないことが、長い受験生活を続けるコツでした。
それでも、基礎の単元でつまずいて先に進めないときは、家庭だけで抱え込まなくて大丈夫です。つまずいた単元を映像授業でさかのぼったり、計算や基礎をタブレット教材で土台から固め直したりと、教材の力を借りる手もあります。我が家も、親が教えにくい部分はツールに助けてもらいました。映像教材との付き合い方は「【中受】SAPIX家庭のゲーム動画ルール|桃鉄+スタサプの使い分け」に、選択肢の比較は通信教育・タブレット教材4社比較にまとめています。
▶ 映像授業で単元をさかのぼれる「スタディサプリ小学講座」(無料体験あり)![]()
▶ 計算・基礎を無学年で固め直せる「RISU算数」(1週間おためしあり)![]()
【親のホンネ】
『やらない』を決めるのは、最初は罪悪感がありました。でも、全部中途半端より、絞って身につくほうが結果的に伸びる。削る判断は親の責任だと思って、引き受けるようにしています

まとめ
SAPIXの宿題の優先順位について、要点を振り返ります。
- SAPIXの教材は多めが前提。「全部やりきる」ではなく「何を優先し、何を削るか」を決める
- 教材の役割を知ると判断しやすい。基礎トレ(毎日)とデイチェ(授業サイクル)が土台
- 優先順位は「毎日やるもの」と「週内で回すもの」を分け、我が子の状態で削る(個別最適)
- 解き直しは数より「自力で思い出す」質を優先。できない日はリカバリ前提で割り切る
- 基礎でつまずく単元は、映像授業・タブレット教材で土台から固め直すのも手
教材の取捨選択は、SAPIX入塾前の土台づくりや、模試・テストの復習法と組み合わせると、さらに生きてきます。
中受1周目の自問Q&A
ここからは、私自身が宿題と向き合うなかで自問したポイントを整理しました。
Q1. SAPIXの宿題は、全部やらないとついていけないのか?
我が家は、全部はやりきれない時もあります。それでも、基礎トレと授業の復習という土台を守り、あとは状態に合わせて取捨選択することで、無理なく続けられています。全部を薄くこなすより、優先順位をつけて身につけるほうが、結果的に効くと感じています。
Q2. 何を最優先にすればいいのか?
毎日の積み重ねである基礎(計算・基礎トレ)と、授業サイクルの軸になる復習(デイチェ)を、我が家は最優先にしています。これらは土台なので、ここが崩れなければ、忙しい週に演習を多少削っても立て直しがききました。
Q3. 「やらない」と決めると、成績が下がらないか?
全部中途半端にやるより、絞って身につけるほうが、我が家ではむしろ安定しました。よくできている単元の演習を減らし、つまずきに時間を回す——というメリハリが鍵だと思います。やみくもに減らすのではなく、状態を見て削るのがコツです。
Q4. 解き直しはどこまでやるべきか?
数を欲張りすぎないようにしています。ただ答えを写すのではなく、絞った問題を自力でもう一度解く(思い出す)ほうが定着しやすいからです。我が家は「全部やり直す」より「大事な数問を自力で解き直す」を選びました。
Q5. 親が教えられない単元は、どうすればいいか?
無理に抱え込まなくて大丈夫だと思います。我が家も、つまずいた基礎は映像授業やタブレット教材に頼りました。短く解説してもらうほうが、子どもも素直に取り組めることが多く、親子げんかも減りました。親の仕事は「全部教える」ことより「続く仕組みと優先順位を整える」ことだと感じています。
【親のホンネ】
宿題を全部やらせようとしていたころは、親の私がいちばん消耗していました。教材の役割を知り、優先順位をつけて『やらない』を決められるようになってから、夜の気まずい雰囲気が減り、親子とも少し楽になりました。我が家もまだ1周目の途中ですが、削る勇気は手抜きではなく作戦だと、今は思えます。最後までお読みいただき、ありがとうございました

